日本の漫画ファンの間で根深い人気を誇る『寄生獣』。
アニメでも「寄生獣 セイの格率」として2014年に日本で放映されています。
アニメ版の副題「セイの格率」の「格率」とはドイツの哲学者カントの哲学用語で、自分の持つ行為規則を表します。
副題からも分かる通り『寄生獣』は哲学的な問いを持っており、鶴見俊輔や竹田青嗣など日本の哲学者からも愛読されています。
このように『寄生獣』は観るものに哲学的な問いを投げかけているのです。
それは海外でも同じで、海外の人々はより環境問題などの身近な問題に引き寄せて受け取っている傾向にあります。
それでは『寄生獣』の海外の反応を見ていきましょう。
『寄生獣』の海外の反応
それでは『寄生獣』の海外の反応を見ていきたいと思います。
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SF好き必見!
SFホラーが好きなら必見の作品です。主人公シンイチとミギーの目線を通して、人間と寄生生物の両方からの立場で考えることができます。それは、食物連鎖の頂点に立つ人間が、唯一の存在ではないことを意味します。『寄生獣』という作品は、いかに人間が人間の都合で考えているのかということがよくわかります。共生共存とは言っても、どこまでも人間主体のこの世界に、人間よりも優位な種が生まれたとすれば、もはやわれわれの存在も危ぶまれるのではないでしょうか。人間は有害だと判断されても仕方ないでしょうから。
人間の傲慢さを教えられる
主人公のシンイチは、右手に寄生生物を宿したまま脳を乗っ取られずにいました。通常は寄生生物に侵入された人間は最終的に脳を乗っ取られてしまいます。シンイチは右手までで侵入を食い止めたため、右手に奇妙な寄生生物を飼うことになったのです。しかし、そのおかげでシンイチは人間と奇妙な寄生生物との架け橋となったのです。右手の寄生生物ミギーと生活するうちに、シンイチは人間以外の生物たちについて深く考えるようになったのです。地球は決して人間だけが住みやすい惑星であってはいけないはずです。小さなアリから巨大な像まで、地球には様々な生物が暮らしているのです。『寄生獣』を観ることで、わたしたちは人間がいかに傲慢な生物かを知るのです。
シンイチとミギーの友情物語
主人公であるシンイチは、最初は神経質で弱々しいイメージで登場します。しかし、ミギーと出会うことでシンイチは少しずつ変化していきます。ミギーは人間ではないので、人間に対する共感性はなく、合理的な判断で行動していきます。そのミギーの行動や思考は、人間から見ればとんでもないことに思えますが、生物全体を考えたときにとても理屈が通っているように思われます。シンイチはミギーとの生活で激しい葛藤を何度も覚え、人間の抱える大きな課題に気づいていきます。それはシンイチのコアを豊かにしていき、成長するのです。
キャラクターの弱さ
『寄生獣』の主人公であるシンイチには様々な恐ろしい出来事が起こりますが、シンイチの内面には恐怖による葛藤がほとんどありません。シンイチには恐怖を見るレンズが備わってないのです。『進撃の巨人』と比較するとわかりやすいかもしれません。どちらも人類とは違った脅威と戦い、主人公はどちらも10代の若者です。エレンも愛する人を失いました。しかし、エレンは苦しみを糧に敵と戦う気概があります。エレンは自分の苦しみだけではなく、人類の未来をも背負い苦しみ戦っているのです。また、『新世紀エヴァンゲリオン』のシンジは!恐怖を回避することで対処しようとしていました。エレンもシンジも対処法は異なれど、恐怖を感じるメンタリティを持ち合わせています。しかし、シンイチにはそのようなメンタリティはありません。敵が現れたら戦うか逃げる、それだけです。悲惨な状況に悲しみの声はあげますが、それがシンイチを動かすわけではありません。やはりキャラクターの弱さが気になります。
普遍的なテーマ
「人類が侵略される」というテーマは、決して画期的なものではない。1978年の 『SF/ボディスナッチャー』や2003年の 『ドリームキャッチャー』など映画でも再三にわたり扱われてきたテーマだ。知的なエイリアンが人類を脅かすというテーマは、映画愛好家にとって刺激的なテーマなのだ。このテーマは、意図的ではないにせよ人類至上主義や自然淘汰などのダーウィニズムへと議論は拡大する傾向にある。だからこそ、「人類侵略」というテーマは、愛好家を唸らせるか単なるありきたりな作品になるか、どちらの可能性もある。
地球外生命体の哲学
「動物」と聞いた時にあなたの頭に浮かぶ最初のイメージは何ですか?アフリカの草原を駆け回るライオンでしょうか。または深海を泳ぐサメでしょうか。木の上で休むナマケモノも動物です。私たちが忘れがちなのは、彼らも動物であり、また我々も動物だということです。私たちの行動は本質的には動物的であることが多いのです。しかし、そのことを忘れて人間は人間だけが特別だと思い込んでいます。ミギーの哲学は、途方もない生物全体の哲学なのです。
人間の残虐さ
食物連鎖理論を知っていますか?私たち人間はその頂点に高く堅固に立ち、私たちは絶対的な捕食者であり、私たちに脅威を与える敵はいません。私たちが死ぬ主な理由は、老衰、病気、事故、または殺人のいずれかです。私たちの人生が別の種によって終わらせられることは非常にまれなケースです(もちろん、これは存在しないという意味ではありません)。しかし、人間が別の生物の生命を終わらせるのははるかに簡単です。例えば、家畜化、狩猟、都市化などが含まれます。そうです、あなたはおそらく地球上で最も快適な種であり、あなたはとても快適に生きることができます。他の種はいつでも殺されるのを恐れて生きています。
おわりに
『寄生獣』の海外の反応をご紹介しました。
海外の反応で聞かれた声は、
- SF好き必見!
- 人間の傲慢さを教えられる
- シンイチとミギーの友情物語
- キャラクターの弱さ
- 普遍的なテーマ
- 地球外生命体の哲学
- 人間の残虐さ
などがありました。
海外では日本よりもアニメを深く捉える傾向にあるようです。
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