貴志祐介の小説が原作の『新世界より』。
本格的なSFホラーとして海外でも話題です。
『新世界より』の海外の反応を集めてみました。
『新世界より』の海外の反応
『新世界より』は、主題歌も強く印象に残る作品でした。前半も後半も声優さんが歌うキャラクターソングですが、作品の雰囲気にしっかりと寄り添ったシリアスな曲になっていたので、まったく違和感はありません。特に好きだったのは、最初のエンディングテーマである『割れたリンゴ』です。美しく、なおかつ幻想的な雰囲気をもった曲であり、現実離れした物語の内容に、ぴったりマッチしていました。作曲者の尾崎力さんがあまりアニメソングを書いていないことも、プラスに作用したと思います。
『新世界より』はホラー要素も多く含む作品であり、気持ち悪さを感じるシーンが印象に残っています。個人的にそこそこダメージが大きかったのは、不気味な生物が次々に登場する22話と23話です。巨大なゴカイや血を吸うナメクジなど、生理的に受け付けないような気持ち悪い生き物が登場するため、ゾワゾワしながら視聴していました。しかし、その要素があることで、東京が現実とはまったく違う世界になったことを強く実感できます。劇中で地獄と表現される異様な世界の作り込みには、とても感心しました。
『新世界より』はいろいろと怖いシーンも多い作品でしたが、一番恐怖を感じたのは、19話の悪鬼に襲われるところです。演出が完全にホラー映画のそれであり、全体的に不気味な雰囲気が漂うこの作品の中でも、ひときわ異様な空気を感じさせる回になっています。特に驚いたのは、悪鬼の叫び声です。人間の声でありながら、すでに人ではない何かになっていることがわかるような、ものすごい叫び声でした。声優さんの演技力の高さを感じるシーンですが、あまりに怖いので、軽い気持ちで見返すことができません。
『新世界より』は小説もマンガも読んだほどファンですが各話の作画監督の個性が出すぎたのとエロが少ない(エロシーンはストーリーに絡んでいるので減らしてほしくなかった)のを除けば原作に忠実に作られていたと思います。注目人物(!)はバケネズミのスクィーラと奇狼丸ですね。彼らは人類に隷属しながらも高い知性を持っていて、後に世界の真実を知ったときにそれぞれが選択した行動が対照的で色々考えさせられました。特にスクィーラの選択は深いものがあります。唯一人類を打倒できるチャンスが到来したときに彼の立場ならそれを実行しても私には(そして劇中の早季も)責められないなと思いました。
『新世界より』は声優陣が豪華で、主役級の人たちが重要な役で登場しています。中でもインパクトが大きかったのは、スクィーラ役を務めた浪川大輔さんです。普段はカッコいい役が多い印象ですが、人間でないスクィーラは、いつもとまったく異なる声で演じており、初見ではかなり驚きました。浪川さんの声であることはすぐわかりましたが、あまりにも普段と違いすぎるため、いったん止めてキャストを確認したくらいです。プロの演技力のすごさを、改めて実感できた作品です。
『新世界より』では、一風変わったキャラクターが多く登場しますが、特にスクィーラが印象に残っています。人間に使役されるバケネズミの一匹ですが、非常にずる賢く、野心家です。うさんくさい言動が多いため、主人公たちもかなり振り回されることになり、物語を面白くする重要な役割を担っていると思いました。見ているうちに愛着のようなものが湧いてきたので、人間に捕まり罰を受ける最終話の展開は、かわいそうになってしまいました。
『新世界より』は1000年後の日本を舞台にした作品となっており、登場人物たちは呪力と呼ばれる能力を持ち、主人公たちはその呪力の訓練をする学校に通っていました。なので最初はただ超能力系の面白い設定のアニメだと思っていたのですが、回を重ねるごとに色々な謎や違和感が生まれ、どんどん惹き込まれていきました。その後冒頭からは全く想像出来ないような展開が続き、よくアニメ化できたと思うくらい見応えのあるストーリーになっています。今まで当たり前だと思っていたことが180度ひっくり返る瞬間の言い表せない恐怖を教えてくれたのはこのアニメですし、何度でも見返したくなる作品だと思います。
『新世界より』というアニメは能力を使える人間と能力が使えなかった人間が能力を使える人間によって異形ののもへと変えられ、その真実に気がついた異形のものが能力を持った人間に対して反旗を翻した話なのですが、最後までこのアニメを見ると、色々と考えさせられもう一度アニメを見返したいという風に思えるアニメだと思います。特に、自分たちのコミュニティーを捨てて、二人きりで出て行った主人公の友人たちの子が異形のものたちのたちの切り札になったところなどがよく作られたアニメだと感じるアニメでした。
『新世界より』のストーリー序盤から中盤にかけては、ひたすら謎が謎を呼ぶ、いわゆる伏線を張るターンだったのですが、小規模で度々回収されてしまう為、終盤での流れが大体読めてしまったり、大した驚きがないまま、あまり楽しめず終わってしまいました。エピローグ的な話がそこそこハッキリと描かれており、終わった後モヤモヤ感が残るという事はなく、それは良かった様に思います。伏線回収で衝撃を受けたい派の私にとっては、心に刻まれる様な作品にはならず、少々残念でした。ただ、考えさせられてしまいます。
『新世界より』は小説で読んだことがあり、とても面白かったのでアニメも見ようと思い見ました。小説では自分の頭の中で想像するだけでしたが、アニメで映像化されることで面白さが倍増したようにも感じます。物語の後半のやこまる軍対人間の話の展開がとても好きで一瞬一瞬が生きるか死ぬかの展開がハラハラして常に緊張感がありました。最終回でやこまるが私たちは人間だ!というシーンがとても心に残っており、元人間がネズミにされて人間に使われてると想像するとやこまるにも少し同情してしまうところもありました。話を全て見るととても考えさせられる内容でとても重い気持ちになりますが見て良かったと思えます。
おわりに
『新世界より』の海外の反応をお届けしました。
小説が原作だけに、本格的なストーリーに納得している海外ファンも多いようでした。