ジブリでも珍しい大人に向けた作品『紅の豚』。
コアなファンが多い作品ですが、人気の理由は何なのでしょうか。
みんなの感想を集めてみました。
『紅の豚』のみんなの感想
登場人物がみんな憎めない
舞台は第一次世界大戦のイタリア、主人公のポルコ・ロッソは飛行艇乗りで、自由気ままに賞金稼ぎとして島で暮らしています。ひょんなことからライバルのカーチスに狙われ、撃墜されてしまうが、そこで修理を受けてくれた旧友のピッコロじいさんの孫で17歳の少女フィオと出会います。最初はひよっこのフィオに対して疑念を抱いていたものの、その飛行艇に対するあくなき情熱や、男勝りな性格に、だんだんと信頼してき、最終的には敵の空賊連合も含めて、みんながフィヨのファンになってしまいます。主人公を含め、登場人物がどこかみんな憎めないところがこの映画の素晴らしいところではないでしょうか。
紳士な豚に心奪われます
このアニメはもう何回見たかわかりません。何年も前のアニメ映画にも拘らず色褪せることなく輝き続けているアニメ映画の重鎮です。スタジオジブリが絵画のように美しく描いた物語の舞台であるアドリア海を紅の飛空艇をポルコが優雅に飛び回ります。私の一番好きなシーンはあの名台詞「飛ばねえ豚はただの豚だ」のシーンです。まさにこの映画のキャッチコピーであり主人公ポルコの生き様を表している台詞に感動を覚えます。自分の中に信念を持ち紳士な豚に心奪われます。次の日には葉巻をくわえ波の音を聞きたくなる、そんな気持ちにさせてくれる映画でした。
さあもりもり食べてビシバシ働こう!
豚になってもかっこいいポルコ・ロッソやそれを取り巻く人たちの生き方を見れる素敵な映画だと思います。「飛ばねえ豚はただの豚だ」や「あなたもう一人の女の子を不幸にする気なの?」「仲間外れをつくっちゃかわいそうだろうが」など様々な名言が印象的だと思います。個人的には「さあもりもり食べてビシバシ働こう!」とスパゲッティを食べるところが好きです、ごく普通なスパゲッティだけど不思議とおいしそうなスパゲッティに見えてしまうんです…
重いテーマをコミカルに描いている
第一次世界大戦終戦後、勝利を収めた側の中心的な国でもあったフランスが舞台。第一次世界大戦は歴代でも最多数の死者を出した戦争であり、その理由はメインが空撃戦であったこと。フランスの空撃パイロット、最前線で戦い、仲間を全て失い、自分だけが生き残り、国を勝利に導いたが戦後豚になった。ポルコロッソ、赤い豚野郎と飛行艇の色も含めた皮肉も込めてそう呼ばれた。主人公以外にも女性だらけの飛行艇の工場は旦那たちを失った女性たちと戦時中に女性が飛行機の修理作業をしていた時代背景をさりげなく描き、勝利したはずの国の兵士たちは空賊に成り下がる。かなり重いテーマですが、この作品のすごいところはそれをかなりコミカルに描き、ただ、不謹慎さの無い熱を感じさせること。最後、仲間を守れず、豚になった主人公が一人の少女の人生をかけて闘う、それすらコミカルで面白く、すごい作品だと思いました。
私の中で一番感動するアニメ
私の中でまさか一番感動するアニメになるとは思ってもみなかったです。真っ赤な飛行挺を操る賞金稼ぎの豚・ポルコ・ロッソと、彼を取り巻く人々の物語が描かれております。主人公のポルコ・ロッソ が本当に男らしく自分もこうなりたいと思うアニメです。エンディングテーマには加藤登紀子さんの「時には昔の話を」をチョイスした所も非常にアニメの世界に更に引き込まれました。何故だろう、まさか自分がアニメをみて感動して涙をする機会があるとは思ってはみませんでした。そして繰り返し見たくなるアニメに出会えたのも非常に嬉しく思う内容。かっこいいとは?と自問自答している方がいれば是非見て欲しいアニメです。きっと答えが出ると思います。ロッソのようなそんな風に私もなりたいと思いました。アニメの最後に現れるロッソの飛行機を注目してみて下さい。その意味はアニメを見れば分かるかもしれません。そして各登場人物の様々な名言にも注目です。
「男のロマン」がふんだんに盛り込まれている
この作品は、ジブリ作品の中でも屈指の泥臭い作品だと思います。飛行艇に美女と美少女、好敵手、隠れ家、戦争での記憶などなど、「男のロマン」と呼べるような要素がふんだんに盛り込まれていて、明らかに男性向けの作品なのに、女性の私から見ても非常に魅力的に見える、不思議な作品です。自分が酒飲みだったら、お酒を飲みながら優雅に鑑賞したいなと思う作品でもあります。また、主人公の容姿が明らかに豚なのに、そこにほとんど突っ込まれない世界観も好きです。
何度見ても飽きない
主人公のポルコは、本当にかっこいいですね。そして、渋い決め台詞がいっぱいあって覚えきれなかったが、やはり「飛ばねぇ豚はただの豚だ!!」というセリフだけは頭に残っています。豚というキャラクターにしているだけで、この作品は成功なんじゃないかと思います。人間じゃないからこそ、キャラが際立っていて、すべてが目に焼き付くのです。ストーリー的にはシンプルなのですが、何度見ても飽きない作りはやはりジブリ作品のレベルの高さが伺えます。
男の「カッコイイ」が詰め込まれている作品
宮崎監督作品の中でも郡を抜いて、飛行機愛に満ち溢れた、男の「カッコイイ」が詰め込まれている作品です。音楽、キャラクターのセリフや関係性がとてもマッチしていて当時見た時は小学生だったのですが、子供心にこんな大人になれたらすごいカッコイイし楽しそうだな~と憧れがギュっとつまっています。飛空艇の戦闘シーンも迫力があり、映像のスピード感・緊張感が自分の手にもビリビリ伝わってきて、世界にググっと引き込まれます。強かで美しいヒロインとなぜか豚になってしまったダンディな主人公はアニメらしいファンタジーさがシリアスになりすぎない当時の戦後映画だと思います。映画最初の海賊がスイミングスクールの子供たちを誘拐して狭い戦闘機の中でわちゃわちゃ髭をひっぱられたりしているのが、ニクめなくかわいいとさえ思います。物語のテンポもよく、何度みても「ここがよかった」「あのセリフがよかった」と話し合える名作でした。
大人の雰囲気でかっこいい
紅の豚は1929年ごろのイタリアが舞台で1992年に放映された作品ながら今見ても古さを感じないし、描かれている当時のイタリアの風景や建物がとてもおしゃれで綺麗である。私が好きなシーンは主人公ロッソがフィオと一緒に飛行艇を修理してる時、ふとした瞬間にロッソが銃弾をいじっているとき人間に戻って見えたシーンです。あのシーンが大人の雰囲気でとてもカッコ良かったです。紅の豚もそうですが、宮崎駿監督は色んな作品に空を飛ぶ乗り物が出ており、飛行機が好きなのかなと思います。飛行機好きからこの作品が生まれたと思っています。
観る側に楽しい宿題を残してくれる
ジブリ映画の中では珍しく少し大人向けのおしゃれな映画だと思います。一度観ただけではなかなか理解できないところが沢山ありました。その後何回も観ましたが、まだよく分からないところがあります。それでもまた観たくなるような不思議な魅力のある映画だと思います。ストーリーの奥には反戦や大人の事情がチラチラ見え隠れしますが、そんな事は後でゆっくりと考えたら良いと思うくらい登場するキャラクターやストーリーが魅力的です。ハッキリとした結論を出さずに、観る側に楽しい宿題を残してくれる素敵な映画です。
おわりに
『紅の豚』のみんなの感想でした。
魅力的な主人公や大人の雰囲気、男のロマンが詰まっているところが人気の理由でした。