今や日本を代表する文化のひとつとなった漫画やアニメ。子供の頃から日本のアニメや漫画に触れることで、日本を好きになったり、いつか日本に行ってみたいと願う外国人も大勢います。そんな漫画・アニメの海外を視野に入れた未来について分析してみます。
日本の漫画・アニメの海外進出の背景
そもそも日本の出版社が海外に目をつけた背景には理由があります。それは、海外で海賊版の漫画が多く読まれていたこと。しかし、公式にせよ非公式にせよ、ほとんどの国で日本と同時期に、最新話を読むことはできませんでした。ところが最近では、デジタルデバイスを使ってオンラインで漫画を読んだり、アニメを見たりするのがあたり前の習慣に。実際、講談社の「MANGA Plus」は月間アクティブユーザーが500万以上、人気作品だと最新話を100万人の読者が読無事もあると言われていますし、Netflixなどの動画ストリーミングサービスでも日本のアニメが大ヒットすることも珍しくなくなって来ました。
日本の漫画・アニメに海外進出が必要な理由
確かに海外での支持が増加している日本の漫画やアニメですが、そこまで海外進出に本格参入する理由はなんでしょうか?ひとつ目は、大前提として市場規模が大きいことです。某有名出版社では、すでに取り扱う漫画の市場規模が日本は約4,400億円、海外は合算して約1,000億円弱と、海外が約2割を占めていると言います。また、海外売上は、国内に比べて市場の伸びが大きく、前年比で2倍近く成長する事もあります。さらに、漫画コンテンツを全世界を対象にすることで、出版ライセンスやアニメを含めた映像化によって全体として事業が大きくなるなどチャンスが広がります。
漫画家目線でみても、海外からの印税・収入の比率が大きくなりつつあり、アシスタントなどの人件費が膨大な原作者にとってはとても助けになります。
海外進出した日本の漫画・アニメの成功例
すでにたくさんの漫画やアニメが海外進出を果たしていますが、例えば日本でも大ヒットし、2021年に漫画連載が完結した「進撃の巨人」は、海外でも大人気。ビジュアルの巧みさ、どのような人種でも入り込みやすい物語の独特な世界観、謎解きのような引き込まれるストーリーなど、様々な魅力を持ち合わせています。アニメの完結篇は2023年に放映予定となっており、ファンの熱狂度はますます加熱しています。
もう一つ、誰もが読めるWeb漫画から雑誌での公式連載、アニメ化、そして海外進出に繋がった異色の漫画が「ワンパンマン」です。強すぎる主人公のヒーローが、ワンパンチで敵を倒しているギャグ系アクション漫画です。その新しいストーリーコンセプトが海外でもウケています。特にフランスでの人気が凄まじく、2016年の翻訳版の出版では、初版の6万5000部が数日で売り切れ、3万部の増刷になるという伝説を作りました。文化が違う中でも、シンプルなストーリー展開やアメコミヒーロー的なわかりやすさが海外でもウケている理由と言えそうです。
しかしこれだけ人気にも関わらず、映像コンテンツ意外にはなかなか進出していません。そこには、海外進出の難しさ、課題が存在しています。
日本の漫画・アニメの海外進出の難しさ
これまで述べてきたように、海外進出は、チャンスに満ちています。しかし一方で、課題もあります。それは、進出する国が増えるほど、サービス運営に関するリソースが不足する事。そして、地域ごとに検閲基準や権利の扱い方も異なるため、その知見が不足している事です。雑誌やテレビからデジタルに場を移した事で広がりやすさは増したものの、映像化だけでなく、その他のコンテンツへ多角的に進出していくと、事業面でのスピード感が出しづらいという課題を解決する必要があります。
オンラインカジノに日本の未来があるかもしれない
まだ進出先としてメジャーではありませんが、オンラインカジノ日本と日本の漫画・アニメのコラボレーションは可能性がありそうです。前出の「進撃の巨人」はすでにパチンコとのコラボレーション実績があります。例えば、オンラインスロットのデベロッパーと一度コラボレーションしてしまえば、複数の国に展開することができますし、権利や管理も一元管理できます。日本の漫画やアニメにはカジノや賭博をテーマにした人気作品もたくさんあるので、親和性も高そうです。海外のアニメでは、こういったテーマではなくても、主人公たちの日常を描くような漫画がオンラインスロットとコラボレーションしたり、美少女戦士の漫画を彷彿とさせるアニメーションがオンラインカジノスロットで人気を博している例もあります。
多角展開で期待が広がる漫画・アニメコンテンツ
日本の漫画・アニメコンテンツは世界的に見てもその質の高さが評価されています。アニメ化、実写化、映画化だけでなく、ゲーム、パチンコ、オンラインカジノなど様々なジャンルに多角展開する事で、世界中のより多くの人の目に触れる機会が創出され、ビジネスチャンスも広がります。日本は経済面で悲観的に見られがちですが、有望なコンテンツを軸に起始回生を図っていきたいですね。